ジェネリックと新薬
医療機関で処方される薬(医療用医薬品)には、同じ成分・同じ効き目で高い薬と安い薬があります。
高いほうの薬は『新薬』です。
新薬の開発には10数年以上の年月と数百億円の費用がかかるため、薬価が高く設定されます。
安いほうの薬が『ジェネリック医薬品』です。薬品の特許期間満潮後に厚生労働省の承認を得て発売される薬の総称です。
新薬に比べて大幅な開発コスト削減と開発期間の短縮が可能なため、新薬と同じ成分・効き目でありながら価格は平均すると新薬の約半額になります。
欧米主要国では、すでにジェネリック医薬品が50%以上のシェアを占めています。
それは、医師が処方せんを発行する際、薬をブランド名ではなく成分名で指示する「一般名処方」と、患者自らが新薬かジェネリック医薬品かを選ぶことができる「代替調剤」が認められていることが大きな力になっています。
高い評価を受けている
欧米諸国では、特許が満了すれば、その新薬が持っていた市場の80%以上が替わってしまうほど、ジェネリック医薬品は非常に高い評価を受けているのです。
とりわけイギリスでは、政府による医療費節減など、ジェネリック医薬品普及奨励のためのさまざまな努力が図られ、処方せんの約76%(BGMA,2003)が一般名で処方されています。
さらに、WHO(世界保健機関)も使用推進を提唱するなど、ジェネリック医薬品の活用は世界の常識となりつつあります。
しかしながら、ジェネリック医薬品の使用環境が不十分なわが国ではジェネリック医薬品のシェアは、数量ベースで16.8%に過ぎません(2004年度、医薬工業協議会調べ)。
日本では、医師の処方した新薬を、薬剤師の判断で同じ効果のジェネリック医薬品に替えること(代替調剤)はまだ認可されていませんので、医師の処方がなければ使うことはできません。
またすべての医療機関がジェネリックを処方しているわけでもありません。
本格的な少子高齢社会に突入している日本でも、国の医療費節減は大きな課題です。
もし特許期間を過ぎている薬がすべてジェネリック医薬品に替われば、日本の医療費は年間で約1兆円も節約できるといわれています。
ジェネリック医薬品は、患者個人の薬代負担を軽くするだけでなく、国全体の医療費節減にも大きく貢献することのできる薬ですから、ジェネリック医薬品の普及は急務になっています。