医療事故とその対策
今日病院で起こる医療事故はその発生プロセスに何人もの医療スタッフが関っていることがすくなくありません。
例えば医療事故の中でも発生頻度が高いと言われている薬剤の投与事故は一般に処方する医師、調剤する薬剤師、そして患者に与薬する看護師の3つの職種が関ります。
また、看護師も、準備をする人と実際に患者に薬剤を服用させたり注射したりする人とが異なる場合もあります。
また、手術患者を取違えた、手術部位を間違えた、異型輸血をしたといった事故には、複数のスタッフ間の連携のまずさが要因となっていると言えます。
処方する薬を間違えて、規定量以上の薬を投与するという事故が起こった場合、処方箋を出した医師だけが責任を問われることになるのでしょうか。
薬剤を患者さんに渡すのは一人の薬剤師。
しかし、その薬剤を渡すまでに、別の薬剤師がチェックをいれて、患者さんに薬を渡しているはずです。
薬剤師という国家資格を持っている者が、規定量以上の薬剤が処方されている事に気付き、医師に問い合わせる必要性があるのではないでしょうか。
PL法問題
薬剤師は、処方箋のちょっとした疑問点はもちろんの事、入院患者の治療薬を決める際にも、医師に意見できるものなのでしょうか。
この行為は越権行為に当たるのでしょうか。
処方箋調剤による医薬品に関するPL法問題は、かなりの議論が行われました。
結局は、単品の医薬品を規定量投与した場合には製造メーカーに責任があり、複数の医薬品を混合した場合には、調剤薬局或いは院内薬局が製造所となるけれども、その製造を指図した医師に責任がある。
また、単品の医薬品規定量を超えて処方した場合も同様である。
このように結論づけられました。
医師に責任があるというのは、もっともなことですが、調剤を行う薬剤師は極量を超えている処方箋については、その処方箋を書いた医師に対し、これでよいのかということを確認することが求められます。
しかし、医師からそれで良いと回答されれば、処方箋にしたがって処方する義務があります。
薬剤師は処方箋に基づいて調剤することができるという職種であり、処方箋を自ら作ることはできないのです。
次に、医師に対して薬を指示するという行為ですが、これは法的にも問題があると思われます。
薬剤師の調剤行為は医師・歯科医師・獣医師の処方箋に基づいて行うことであり、処方箋に配合禁忌や相互作用による問題がある場合などに処方箋を書いた医師・歯科医師・獣医師に質問することが限界であるからです。